マンションの無料査定サイトとは? 価格を知る方法や査定時の依頼方法などを解説

マンションを売却する前にはまず価格を調べたいと考えるオーナーは多いです。

また、その際にはマンションの無料査定サイトを利用することがありますが、そもそも無料査定サイトは安心して利用できるサイトかどうかを知る必要があるでしょう。

そこで、この記事ではマンションの無料査定サイトを利用する際の流れや注意点について、解説します。

マンションを売却するのに、なぜ査定が必要なのでしょうか?

車や時計と言った「動産」とは違い、マンションはオーナー自ら売却価格を決めることができます。しかし、適正価格や現状の相場などを正確に知らなけらば、売却価格を決めるのは難しいですよね?そのため、オーナーが正しく売却価格を設定するために、査定が必要となります。

そうなんですね。「無料査定」とはどのようなものを指すのでしょうか?有料の査定はありますか?

一般的にマンションを売却する際に行う査定は全て無料となっており、インターネットでも不動産会社に直接訪問する場合でも無料です。
有料査定は不動産鑑定士が行う鑑定のみで、マンションの売却で利用するケースはほとんどないでしょう。

じゃあマンションの売却査定では必ず無料なんですね。安心しました。ところで、マンションの査定にはどんな種類があるのでしょうか?

マンションの査定には「一括査定サイト」と「AI査定」、「無料査定シミュレーション」があります。この記事で詳しく解説いたします。

マンションの無料査定とは?

マンションの無料査定には次に挙げるような特徴があります。

特にメリット・デメリットについてはあらかじめ知っておくことでトラブルを回避することができるため、利用する際にはしっかり押さえましょう。

マンションの無料査定には種類がある

マンションの無料査定といっても、いくつか種類があります。

また、種類によって依頼後の流れが変わってくるため、注意が必要です。

詳細については参考記事を御確認いただき、この章では概要を解説します。

【参考記事】

マンション売却の査定は複数社に依頼する?方法や注意点について解説

マンションの無料査定サイトには「一括査定サイト」「無料査定シミュレーション」「AI査定」などがあります。

複数社からの一括査定

マンションの無料査定サイトで検索した場合、もっとも多くヒットするのが一括査定サイトです。

イエイやイエウールなどの不動産一括査定サイトはオーナーからの依頼情報を登録している不動産会社に情報展開し、査定額を算出する仕組みです。

依頼する不動産会社は2~5社となり、会社名をみて決めることが可能です。

このように、一括査定サイトを利用することで複数の不動産会社に同時依頼することができるため、査定額だけでなく不動産会社も効率良く探すことができるでしょう。

査定シミュレーション・AI査定

一括査定サイト以外にも、各不動産会社がHP上で独自にサービス提供している無料査定シミュレーションやAI査定という仕組みがあります。

どちらも1社にしか依頼することができませんが、個人情報や査定物件の情報入力に差があります。たとえば無料査定シミュレーションの場合は一括査定サイトと同じように、マンション名と号室まで入力が必要になるケースが多いです。

また、不動産会社の担当者が査定するため、すぐに査定額の回答がでないこともあるでしょう。

一方、AI査定の特徴は過去の成約事例を基に自動で査定額を算出する点にあるため、依頼とほぼ同タイミングで査定額を知ることが可能です。

ただし査定額には価格幅が設定されることが多く、正確性は他の査定方法ほど高くないという特徴があります。

【参考記事】

マンション査定の自動シミュレーションとは?利用方法や注意点、売却の進め方などを解説

無料査定シミュレーションやAI査定は大手不動産会社がバナー広告やリスティング広告でサービス提供することも多く、広告の目的はオーナーからの売却依頼です。

無料査定シミュレーションやAI査定は非常に便利ですが、オーナーからすると精度の低い査定額しか得ることができず、サービス提供している不動産会社も利益を得ることができません。

そこで、マンション売却に興味がある人向けに無料査定シミュレーションやAI査定を「広告」として展開し、より詳しい査定額を知りたい人は直接不動産会社に連絡をする仕組みとなっています。

つまり、オーナーとしてマンションの査定額にどこまでの正確性を求めるのかによって、どの査定方法が有効なのかは変わるでしょう。

査定は大きく分けて2種類

マンションの査定を依頼した場合、査定の方法は大きく分けて2種類あることを知っておきましょう。

2つの査定方法は「机上査定」と「訪問査定」となっており、この章では概要を解説します。

詳細については参考記事を御確認ください。

机上査定とは不動産会社の担当者が査定するマンションに出向かず、PCや書類をベースに査定額を算出する方法です。

後述する訪問査定よりもスピーディーに査定額の提示を受けることができ、現地でオーナーが立会うこともないという特徴があります。

一方、訪問査定は実際に担当者がマンションに出向き、家屋内を確認した上で査定額を提示する方法です。

オーナーも立会うケースが多いですが、机上査定よりも査定の精度が高くさらには売却のプランも提案してくれるでしょう。

そのため、まずは机上査定で査定額を確認し、より売却を具体的に進めたい場合は訪問査定を利用するパターンが多いです。

【参考記事】

マンションの机上査定とは?内容やメリット、活用上の注意点を解説

マンション売却を成功させるには訪問査定の事前準備が必須

各査定方法のメリット・デメリット

この章では各査定方法のメリットとデメリットについて、解説します。

マンションを売却する際には査定額を知る必要がありますが、それぞれの査定方法にメリットとデメリットがあります。

また、査定方法は複数選択することができるため、失敗しないためにもメリットとデメリットをしっかり確認することが重要です。

複数社からの一括査定のメリット・デメリット

複数社に依頼する一括査定サイトの場合、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット:一括査定サイトのメリットとして、「同時依頼が可能」という点があります。

一般的にマンションの売却依頼をする不動産会社は1社であることが多く、信頼できる会社を探すためには複数の不動産会社とコンタクトを取る必要があります。

そのため、複数の不動産会社から任意に査定依頼をし、同時に検討できる一括査定サイトは忙しいオーナーにおすすめだといえます。

また、前述した机上査定と訪問査定を選ぶことができる以外にも、電話やメール、連絡の時間帯などを自分の都合に合わせて選択することが可能です。

このように、マンションの査定額を効率良く収集できるという点が、一括査定サイトの大きなメリットです。

デメリット:一括査定サイトは複数の不動産会社に依頼するため、選択した不動産会社からしつこく営業連絡を受ける可能性があります。

また、場合によっては選択した連絡手段と時間を守らずに連絡してくる悪質な不動産会社と遭遇するリスクもあります。

このようなトラブルに巻き込まれた場合はすぐに一括査定サイトの運営会社に連絡し、不動産会社へ連絡中止か売却中止の連絡をしてもらいましょう。

AI査定のメリット・デメリット

AI査定には次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット:一括査定サイトのデメリットに「しつこい営業連絡」を挙げましたが、AI査定のメリットは営業連絡がないという点にあります。

また、査定額は成約事例に基づいて自動算出されるため、査定依頼から査定額表示までの待ち時間はほとんどないでしょう。

そのため、「とりあえず査定額を今知りたい」という人に向いている査定方法だといえます。

デメリット:AI査定は依頼情報と成約事例を照合し、査定額を算出します。

その際に使用するデータベースは、宅地建物取引業社が閲覧できるレインズと各ポータルサイト、そして自社の成約実績です。

そのため、自社の成約実績が少ない場合は査定額の精度が大きく下がってしまいます。

また、オーナーやマンションが持つ個別の売却要件を反映させることができないため、極端な売却実績も抽出してしまう傾向にあります。

たとえば相場が3,000万円の物件に対し住宅ローンが3,200万円あるマンションを3,300万円で売却成立させた場合、3,000万円と3,300万円のどちらもデータとして採用されます。

AI査定はこのような仕組みになっているため、2,800万円~3,500万円というように幅の広い査定結果となることを知っておきましょう。

それ以外にも、査定額に関する質問ができず、質問がある場合は結局不動産会社にコンタクトを取る必要があるという点も大きなデメリットだといえます。

不動産会社選びという点においても原則1社のみとなるため、利用するタイミングや目的を十分に検討する必要があるでしょう。

無料査定シミュレーションのメリット・デメリット

無料査定シミュレーションには次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット:無料査定シミュレーションは不動産会社が独自に行っている査定方法のため、原則担当者が査定を行います。

また、不動産会社にとっては一括査定サイトよりも売却依頼を受けられる可能性が高いため、丁寧な対応をしてくれるのがメリットです。

マンション売却時の査定額は売却価格を検討するベースとなるため、査定額の成り立ちを知ることは重要です。

そのため、査定額の算出根拠や売却の具体的な流れをヒアリングできる無料査定シミュレーションは、マンション売却が具体化しているオーナーにはおすすめです。

デメリット:一括査定サイトと違い、無料査定シミュレーションと前述したAI査定は1社のみに依頼するため、検討したい不動産会社の数だけ工数がかかります。

また、入力する内容も住所や電話番号といった個人情報が必須項目となるため、注意が必要です。

そのため、無料査定シミュレーションは他の査定方法よりも営業電話を受けやすく、オーナーの工数もかかるという点がデメリットだといえるでしょう。

マンションの無料査定を行う流れ

この章ではマンションの無料査定を行う際の流れについて、解説します。

各査定方法によって入力する内容が異なるため、事前にこの章で解説するポイントを確認しましょう。

複数社からの一括査定

複数社からの一括査定については、代表的な一括査定サイトであるイエイをベースに解説します。

主に下記のステップに分かれています。

  1. トップページで不動産種別とマンションの住所を選択
  2. マンションの地番やマンション名、専有面積、築年数を入力
  3. 査定理由や売却方法、査定方法を選択
  4. 個人情報を入力
  5. 不動産会社を選択

〈ステップ1〉

トップページでは物件種別と査定地のおおまかな住所を選択する画面が表示されています。

物件種別は「分譲マンション」を選択。それ以外は査定するマンションの町名までを選択しましょう。

〈ステップ2〉

次ページではマンションの詳細地番とマンション名、専有面積、築年数を入力します。

居住中や賃貸中など、現状についても必須項目になるため漏れなく入力しましょう。

〈ステップ3〉

ステップ2よりも下段には、査定に関連するアンケートをチェックする欄があります。

ここでは前述した「机上査定」か「訪問査定」かを選ぶ項目もあるため、現状に合った方法を選択しましょう。

〈ステップ4〉

入力項目の最後には、個人情報の入力欄があります。

査定額の提示を受ける方法を電話にするかメールにするのかを選ぶことができ、さらには「平日夜19時以降の連絡希望」など細かく指定することも可能です。

〈ステップ5〉

最後には不動産会社を選択し、入力は終了です。

入力後は選択した不動産会社から連絡を受けることになり、詳細確認後に査定額の提示となるでしょう。

また、各不動産会社から一気に連絡が来ることに備え、指定の時間には電話もしくはメールが見えるよう準備しておくことがおすすめです。

また、その際の対応内容や査定額を踏まえ、信頼できると感じた不動産会社を選びましょう。

AI査定

AI査定については、マンション売却を取り扱っている「すむたす売却」をベースに解説します。

AI査定は一括査定サイトに比べて入力項目が非常に少なく、1~2分で入力が完了しその場で結果が表示されます。

ただし依頼するエリアによってはAI査定を取り扱っている不動産会社の成約実績が少なく、査定額の幅が大きくなってしまうことがあります。

また、AI査定と謳いながらも不動産会社から連絡があり、担当者が査定するケースもあります。

そのため、AI査定を利用する際には瞬時に査定額が回答されることをアピールしているサイトを利用しましょう。

無料査定シミュレーション

上の画像は家プロが公開している無料査定シミュレーションのHPです。

入力内容は一括査定サイトとほとんど同じですが、多くの不動産会社ではなく1社にだけ依頼をする流れとなります。

そのため、まずは不動産会社をしっかり検討し、選んだ会社の無料査定シミュレーションを利用しましょう。

無料査定シミュレーションを利用すると不動産会社の担当者から連絡があり、査定額の説明や売却プランの提案を受けることになります。

一括査定サイトやAI査定よりも丁寧で具体的な提案を受けることができるため、依頼する際にはマンションに関連する資料を手元に準備した状態にしておくことでスムーズに打合せを進めることができるでしょう。

マンションの無料査定をうまく利用するコツ

マンションの無料査定にはメリットもデメリットもあり、査定方法によって特徴と流れが違います。

そこで、この章で解説する利用のコツを事前に押さえ、スムーズにマンション査定を進められる準備をしましょう。

不動産会社は無料査定は仲介や買取のために実施していることを知っておく

無料査定は文字通りオーナーは金銭の負担をすることはなく、不動産会社は利益を得ることができません。

なぜなら、宅地建物取引業では不動産会社が得る報酬は成功報酬であることが定められているからです。

つまり、オーナーからの査定依頼は通常の業務という扱いになり、オーナーがマンションの売却を成立させるために必要なアドバイスという位置づけになります。

そのため、不動産会社は将来売却する際に選んでもらうことを目的に、無料査定を展開していることを知っておきましょう。

参考サイト:宅地建物取引業法

必ず売却依頼をする必要はない

不動産会社は売却の依頼を受けることを目的に無料査定を展開していますが、必ずしも売却の依頼をする必要はありません。

「売却をする予定だったけれど親族が住むことになった」というケースや、「査定額を見て住宅ローンが売却益では返済できないことが分かり、売却しないことにした」というケースもあります。

そのため、少しでもマンションの売却を検討している場合は気軽に無料査定を利用し、その上で売却を具体的に進めていくのかを判断するのがおすすめです。

将来売る際は再度査定を

マンションの相場はエリアによって大きく変動し、1年で査定額が変わることもあります。

そのため、マンションの無料査定は売却する直前に依頼し、既に査定額の提示を受けている場合は再度査定を依頼しましょう。

特に大規模修繕工事が完了した前後や家屋内で自殺などがあったというケースは、査定額に大きな影響を与えます。

査定額はマンションの売却価格を検討する上で重要な情報となるため、必ず売却直前の査定額を参考にしましょう。

マンションの売却には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があるんですね。どちらか片方だけだったり両方利用したりするケースはあるんですか?

マンションの売却がどこまで具体的になっているのかで変わります。
たとえば査定額を知りたい段階で机上査定のみ利用し、売却が具体的になった段階で訪問査定も利用するケースは査定依頼の王道パターンでしょう。
また、既に売却することが決まっている場合は訪問査定のみ依頼するケースもあります。

不動産会社からするととても手間のかかるサービスだと思いますが、なぜこのようなサービスが提供されているのですか?

不動産会社はあくまでも売却の販売活動を任せてもらうことをゴールとしており、無料査定を通じてオーナーにコンタクトを取ります。

つまり、無料査定は将来売却する可能性がある物件を知るためのツールともいえ、オーナーとなるべく多く繋がるために無料査定サービスを提供しているわけです。

マンションの各無料査定の方法がおすすめ人

ここまで、各査定方法の特徴やメリットデメリット、利用のコツについて解説してきました。

しかし、結局どの査定方法がベストなのか決めきれないオーナーも多いでしょう。

そこで、この章では各無料査定の方法がおすすめな人について解説します。

複数社からの一括査定がおすすめの人

複数社からの一括査定は、任意で選択した不動産会社に同時依頼することができ、さらには連絡手段や時間をオーナー都合で指定することが可能です。

このことから、マンションの売却に時間を作ることが難しく、さらには効率良く売却を進めたい人に向いているといえるでしょう。

ただし、一気に多くの不動産会社から連絡があるため、まとめて対応できる時間を作りしっかり不動産会社の評価を整理することが重要です。

AI査定がおすすめの人

AI査定のメリットは「スピード」と「秘匿性の高さ」です。

そのため、現状売却する予定はないけれど幾らで売れるのかだけ知っておきたいという人に有効です。

AI査定は査定額に大きな幅があるため、あくまでも参考価格に留めておき売却が具体化したタイミングで不動産会社にコンタクトを取りましょう。

無料査定シミュレーションがおすすめの人

無料査定シミュレーションは不動産会社がある程度絞れているオーナーにおすすめです。

不動産会社に訪問することなくメールと電話で対応することができ、オンライン面談でも可能です。

そのため、売却の提案内容をしっかり確認し、納得した上で進めたいオーナーに向いているといえるでしょう。

マンションの無料査定に関するまとめ

あらためて、マンションの無料査定について教えてもらえますか?

マンションの無料査定とは査定額を提供するサービスのことで、オーナーが入力した情報をもとに不動産会社の担当者やAIが査定額を提示してくれます。

この記事でも解説がありましたが、査定依頼すると無理にでも売却しないといけないというわけではないんですよね?

その通りです。将来売却する可能性があるからとりあえず査定額を知りたい場合でも、査定額を見た後で売却を中止するのでも問題ありません。

オーナーの要望に合った査定額金が提示されることはあるんですか?

はい、あります。たとえば相場価格に対し家屋内をキレイにリフォームしていたり住宅設備が交換されていると、査定額は相場より高くなるでしょう。

このように、オーナーが大事にしているマンションの「こだわり」を査定額に反映するケースは多いです。

マンションの無料査定はそれぞれに特徴がありますが、マンションを売却する可能性が少しでもあるオーナーの場合、どの無料査定であっても有益な情報を得ることができます。

ただし、将来売却するのか今すぐに売却するのかによっては査定方法を選択する必要があるため、この記事で解説した特徴とメリット・デメリットの違いを参考にしましょう。

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滋野 陽造

執筆者

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

経歴:早稲田大卒。マスコミ広報宣伝業務・大手メーカー等のWebディレクターを経て、不動産関連業に従事。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた解説をします

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