家の売却は相場観をつかむことからスタート! 不動産会社の査定を受ける前に自分で価格を調べる方法を解説

家を売却することになったとき、まず気になるのはいくらで売れるかです。家の価格は不動産会社に依頼すると査定してくれますが、その前に自分で調べたい人もいます。

家の相場は国税庁が公表している相続税路線価や国土交通省が提供する土地総合情報システムから知ることができますが、どのように見ればよいのでしょうか。

また、家の売却相場は立地と築年数が大きくかかわりますが、価格にどのように影響するのかも気になります。

この記事では相続税路線価や土地総合情報システムから相場を知る方法を解説し、合わせて立地エリアや築年数が家の価格にどのような影響を与えるかについてお伝えします。

不動産会社の売却査定を受ける前に家の相場を調べたいのですが、どのような方法がありますか?

自分で家の売却相場を調べる方法はいくつかありますが、公的機関から発表されている相続税路線価と固定資産税の通知書から計算する方法と土地総合情報システムを使って調べる方法があります。

家の価格に一番影響を与えるものはなんですか?

家の価格に一番影響を与えるものは築年数です。家は築年数が経過するほど価格が下がる傾向があります。また、どのエリアに立地しているかも家の価格に大きく影響します。

家の売却相場を調べる方法

家の売却相場は自分で調べることが可能です。国税庁が毎年7月1日に発表する相続税路線価や国土交通省が運営する土地総合情報システムなどの公的機関が公表するデータを使用します。

不動産会社が行う机上査定や訪問査定のような高い精度はありませんが、ある程度の相場観をつかめます。

公的価格から売却相場を調べる方法

家の売却相場は国税庁や市町村が公表する土地や建物の公的価格から計算が可能です。

公的価格から家の売却相場を調べる手順は以下の通りです。

  1. 固定資産税通知書を確認する
  2. 路線価で土地の価格を調べる
  3. 公的価格を実勢価格に補正する
  4. 建物と土地の価格を合算する

1.固定資産税通知書を確認する

家の建物部分と土地部分は別々の公的価格から調べます。建物部分の価格は毎年4月〜6月頃に自治体から送られる固定資産税通知書に記載されています。

固定資産税通知書に記載されている建物の価格は、固定資産税を計算するための価格なので実際に取引される価格ではありません。公的価格は実勢価格よりも低く設定されています。

2.路線価で土地の価格を調べる

土地部分の価格は路線価を使って調べます。路線価には毎年更新される相続税路線価と3年に1度更新される固定資産税路線価がありますが、土地の価格は変動が激しいので1年ごとに更新される相続税路線価で見てください。

路線価は1㎡あたりの価格が記載されているので自分の所有する土地の敷地面積をかけて計算します。

実際に路線価から相続税評価額を計算する場合は、奥行価格補正や不整形地の補正で微調整をする必要がありますが、売却相場を調べるだけなら補正をかけて正確な値を求めなくても十分足りるでしょう。

3.公的価格を実勢価格に補正する

固定資産税評価額と相続税路線価は実際に取引される価格よりも低く設定されているため、売却相場を算出するためには、実勢価格に近づけるために補正する必要があります。

固定資産税評価額は実勢価格の70%、相続税評価額(相続税路線価×面積)は実勢価格の80%に抑えられています。

建物の実勢価格の計算式

建物の実勢価格(売却相場)=固定資産税評価額÷0.7

土地の実勢価格の計算式

土地の実勢価格(売却相場)=相続税路線価×面積÷0.8

4.建物と土地の価格を合算する

建物部分の価格と土地部分の価格を足したものが売却相場です。

売却相場の計算式

売却相場=建物の実勢価格+土地の実勢価格

土地総合情報システムを使って調べる方法

土地総合情報システムは国土交通省が提供している不動産データベースです。インターネットで誰でもアクセス可能な、全国の不動産取引についての事例を調べられるサイトです。

このデータベースで自分の家の周辺で取引された物件の成約価格を調べられます。周辺の取引実績の中から自分の家と類似する物件を比較します。

土地総合情報システムの使用手順は以下の通りです。

  1. 土地総合情報システムのサイトを開く
  2. 不動産取引価格情報検索を選択する
  3. 「種類を選ぶ」で土地と建物を選択する
  4. 都道府県と市町村、地域を選択する
  5. 不動産取引一覧表を確認する

土地総合情報システムでは、取引総額や土地の面積や形状、築年数、構造がわかるので、周辺の類似物件が掲載されていれば、そのデータをもとに自分の家の売却相場のおおよその見当をつけられます。

地域によっては、周辺の事例が少なく類似物件の取引がない場合があるので、そのときは公的価格から売却相場を調べてください。

築数が与える売却相場への影響

家の売却相場には立地と築年数が大きく影響します。立地エリアと築年数が家の売却相場に与える影響について首都圏を例に解説します。

築年数は売却相場に大きく影響する

家の売却相場は築年数が経過するごとに下落します。

東京神奈川埼玉千葉首都圏
新築〜5年の
平均売却相場
6,204万円4,649万円4,041万円3,960万円5,012万円
築6〜10年の
平均売却相場
6,259万円4,209万円3,789万円3,528万円4,845万円
築11〜15年の
平均売却相場
5,846万円4,340万円3,082万円3,302万円4,584万円
築16〜20年の
平均売却相場
5,303万円3,485万円2,839万円2,666万円3,975万円
築21〜25年の
平均売却相場
5,710万円3,096万円2,749万円2,497万円3,895万円
築26〜30年の
平均売却相場
5,675万円2,922万円2,264万円2,370万円3,559万円
築31年〜
平均売却相場
3,840万円2,409万円1,617万円1,494万円2,419万円

出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2020年10〜12月】

家は建物部分は老朽化によって価格が減少します。土地には老朽化という概念がないので需要があるエリアなら価格は下がりません。

首都圏では新築から築30年までは東京を除く神奈川、埼玉、千葉では同じような傾向で建物部分の下落が見られます。首都圏の中でも最も需要の高い東京エリアに立地している家は、築30年までは他のエリアに比べると下落幅が小さいです。

しかし、築30年を過ぎると東京も含めどのエリアも建物の価値はほとんどなくなってしまい、古家件付きの土地と評価されます。

築年数帯で下落率の幅は異なる

建物は年数が経過するごとに売却相場の下落がすすみますが、さらに、築年数帯によって大きく下落するタイミングがあります。

築年数帯下落率
新築〜5年0%
築6〜10年3.3%   ⬇︎3.3pp
築11〜15年8.5%   ⬇︎5.2pp
築16〜20年20.7% ⬇︎12.2pp
築21〜25年22.3% ⬇︎1.6pp
築26〜30年29.0% ⬇︎6.7pp
築31年〜51.7% ⬇︎22.7pp

出典:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2020年10〜12月】

 築10年以内の家の売却相場はあまり下落しません。しかし、築10年を超えると下落が加速します。特に築15〜20年での下落率は大きいです。築20年以降は下落率はいったん落ち着きます。

築30年を過ぎた建物は評価されず、売却する際は解体費用などが考慮されるため価格は大幅に下落します。

査定前に家の売却相場を知るメリット

家を売却することになったとき、不動産会社の査定を受ける前に自分で売却相場を把握しておくことにはメリットが多くあります。

  • 売却するかしないかの判断ができる
  • 不動産会社の営業を受けない
  • 不動産会社の査定結果と売却相場を比較できる

売却するかしないかの判断ができる

不動産会社の査定を受ける前に自分で家の相場がわかると、本当に売却すべきかについて家族で話し合いがもてます。売却相場を家族で共有すると、売却をするかしないかの合意が得やすいです。

例えば、調べた売却相場が想定よりも低かった場合、残っている住宅ローンとの兼ね合いで、今は売らない方がいいという判断を家族の総意でくだせます。売却相場を把握せずにむやみに売却活動を始めてしまうと、大きな失敗につながってしまうので、事前に把握しておくことは重要です。

不動産会社の営業を受けない

まだ、売る気はないけれど、自分の家がいくらの価値があるのかを知りたい人は多いです。

不動産会社に机上査定を依頼してしまうと仲介契約をとるための営業を受けて、わずらわしい思いをしてしまいます。自分で売却相場を調べれば、不動産会社からの営業を受けることはありません。

将来のために売却相場を知りたい場合は、まずは自分で調べることをおすすめします。

不動産会社の査定結果と売却相場を比較できる

不動産会社の査定を受ける前に家の相場観を把握していれば、査定結果と事前につかんだ売却相場を比較して内容の検討が可能です。もし、査定額と売却相場にずれがあるときは、査定結果の違和感に気づくことができます。

不動産会社の中にはわざと相場より高い査定額を出して、仲介契約を取ろうとするところがあります。事前に相場観をつかんでいれば、そのような不誠実な会社を見抜けるのです。

また、査定結果の根拠を不動産会社に質問する場合も、自分が調べた売却相場をもとに内容を組み立てられます。相場観を持っていれば不動産会社のいいなりにならずにすみ、自分の主張を通しやすいです。

さらに、不動産会社の訪問査定を受ける際も、前もって売却相場を把握しているので対応に余裕が生まれ、仲介契約を締結する誠意ある不動産会社の担当者を見極められます。

まとめ

家の売却相場は自治体から4月以降に送られる固定資産税通知書や国税庁が毎年7月1日に発表する相続路線価で調べることができます。また、国土交通省が提供する土地総合情報システムでも周辺で取引された類似物件の成約価格からおおよその売却相場の検討がつきます。

不動産会社の査定を受ける前に、自分で家の売却相場をつかんでおくと、相場とかけ離れた査定額に違和感をもてたり、査定結果の根拠について相場観をもとに質問できたりと、売主側が主導権を握れるという大きなメリットがあるのです。

事前に売却相場を把握することは、理想の価格で家が売れる可能性を引き上げてくれるでしょう。

建物の固定資産税評価額は何で知ることができますか?

建物の固定資産税評価額は、4月から6月の間に郵送される固定資産税通知書に記載されています。また、土地の価格は固定資産税通知書ではわかりませんが、国税庁のホームページにある路線価図か評価倍率表で調べられます。

土地総合情報システムで分かることはなんですか?

土地総合情報システムで分かることは、不動産取引の成約価格や地下公示価格、都道府県地下調査価格が分かります。売却相場を調べるときは周辺で取引された類似物件の成約価格から、おおよその売却相場を推測できます。

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