マンション売却にかかる税金とは?所得税と住民税、節税について解説

マンション売却をして利益が出れば税金が発生します。譲渡所得税というものです。

しかしながら、その税金について詳しく知っている人はそこまで多くないでしょう。

マンションを売却して利益が出た際に払うことになる譲渡所得税はまとまった金額が課せられる可能性がある一方で、特例や控除によって節税になるため、知らないと損をする可能性もあるのです。

そこでこの記事では、マンション売却において知っておきたい税金の知識をご紹介します。税金になじみのない人にもわかりやすく解説していますので、ぜひ確認してみてください。

税金はプロの不動産会社に任せるのが一番でしょう。

最終的にはプロに任せるのが良いですが、自分でも所得税をはじめとする税金の種類や目安を知っておくと役に立ちますよ。

マンション売却にかかる5種類の税金

必ずかかる税金は印紙税と登録免許税があります。

また売却の結果、利益が発生した場合に限り課せられるのが所得税と住民税です。これらは復興特別所得税と合わせて譲渡所得税と呼ばれます。

加えて、条件に当てはまった場合にのみかかるのが消費税です。

以上をそれぞれ紹介していきます。

税金の種類課税となるケース
印紙税必ずかかる
登録免許税必ずかかる
所得税利益が発生した場合
住民税利益が発生した場合
消費税下記2つの条件を満たす場合
・売却が投資目的である
・2年前の課税所得が1,000万円未満

所得税

まず所得税です。所得税は、住民税や復興特別所得税と合わせて譲渡所得税を構成するものの一つです。

譲渡所得はカンタンに言えばマンション売却における利益です。この売却益に税金が課せられて譲渡所得税と呼ばれます。

売却して利益が出たときのみ、所得税が課せられるということです。

また、マンション売却の所得税は売却マンションの所有期間によって税率が変わります。

所有期間が5年以上であれば長期譲渡所得。5年以内であれば短期譲渡所得となり、それぞれ2倍ほどの税率の差があります。

区分所得税
長期譲渡所得(5年超)15%
短期譲渡所得(5年以下)30%

なお、マンション売却における税金の手続きには確定申告を済ませなければなりません。売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に申請をしましょう。

住民税

住民税は上記の記載のとおり、所得税、復興特別所得税とともに譲渡所得税の一部です。

そのため、マンション売却で得た利益に対して課税されます。

住民税もまた5年以上マンションを所有していた場合の長期譲渡所得、5年以内の短期譲渡所得に分かれ、それぞれ税率も異なります。

区分住民税
長期譲渡所得(5年超)5%
短期譲渡所得(5年以下)9%

住民税はマンション売却の翌年、6月以降に郵送される納品書にて納税します。

印紙税

次に印紙税です。マンションを売却する際に契約書に印紙を貼るタイプの税金です。収入印紙税とも呼ばれ、購入して売買契約書に貼り付けます。

印紙税はマンションを売却した際の金額によって、納付額が変わるのが特徴的です。以下に価格をまとめています。

契約価格印紙税額
100万円~500万円2,000円
500万円~1000万円1万円
1000万円~5000万円2万円
5000万円~1億円6万円

以上から、大体の人は2,000円から2万円程度の範囲におさまるでしょう。

登録免許税

登録免許税はマンションの名義変更時に納める税金です。売買契約の際に自分から他人に持ち主を変えるため、登記に支払うお金になります。

マンションの1部屋につき2,000円の登録免許税です。土地と建物それぞれに1,000円ずつかかります。

不動産登記上で土地がいくつかに分かれている場合は、その分登録免許税がかかります。

自分が持っているマンションの土地がいくつかは契約書にて確認が可能です。契約書はローンを組んだ金融機関から返却してもらえます。

消費税

消費税は一般的なマンション売却では課せられることはありませんが、投資の売却は事業になります。また、投資の売却は特例や控除の一部が利用できません。

しかしながら、2年前の課税売上を確認して1,000万円以上でなければ免税事業者扱いになります。

免税事業者なら消費税を払わなくてもよいため、投資でのマンション売却をおこなう場合は過去の売上もチェックしておきましょう。

【参考記事】

マンション売却にかかる税金はいくらかを計算!節税対策の控除も紹介

マンション売却の税金については上記の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

毎回必ずかかる税金に印紙税、登録免許税があるのですね。

マンション売却で利益が出たときにだけ発生する譲渡所得税は所得税と住民税、復興特別所得税からできています。

マンション売却で利益が出た場合の所得税の計算方法

売却利益が出たときは所得税がかかります。そこで譲渡所得の計算をすることで税金がどの程度かかるかの目安を出しておきましょう。

譲渡所得を計算する

まずは譲渡所得がどれくらい発生するか確認するために、計算式を使って算出しましょう。

譲渡所得の計算には、以下の計算式を用いて数字を出します。

譲渡所得=譲渡価格-取得費-譲渡費用

この計算式に各数字を当てはめて、譲渡所得がプラスになれば譲渡所得税がかかります。

次に、上記計算式の各名称の解説をしていきます。

まず、譲渡価格はマンション売却の価格です。マンション売却をして得た総額と言っても良いでしょう。

譲渡価格は以下のように算出します。

譲渡価格=マンションの売却金額+固定資産税、都市計画税清算金

取得費は売却マンションを取得したときの費用です。取得費は以下のように計算します。

取得費=マンションを取得した費用-減価償却費相当額

減価償却費はマンションの経年劣化分のこと。住んでいれば老朽化するマンションの価値を購入価格から差し引いた額を算出します。

その減価償却費相当額の計算式は以下のとおりです。

減価償却費相当額=建物購入価額×0.9×償却率×経過年数

最後に譲渡費用です。譲渡費用はマンション売却にかかった費用になります。

譲渡価格と取得費、譲渡費用をそれぞれ算出しておけば、譲渡所得の計算が成り立ちます。

税率をかけて具体的な金額を計算する

譲渡所得の計算式に則って算出した数字を計算式に当てはめたら、所得から税額を計算しましょう。税率は売却マンションの所有していた期間で区別されます。

所有期間区分税率
5年以下短期譲渡所得39.63%
5年超長期譲渡所得20.315%

マンションには5年以上住んでいる方が、売却したときの税金が抑えられます。

以上の税率から譲渡所得税を算出する計算式は以下のとおりです。

譲渡所得税=譲渡所得×税率

また、マンション売却の利益については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【参考記事】

マンション売却益とは?計算方法や節税になる特別控除についても解説

マンション売却で利益が出なかった場合は所得税がかからない

前述のとおり、所得税は譲渡所得税の一部です。

譲渡所得税はマンションを売却して受け取った利益(譲渡所得)に対して、課税される税金になるため、利益が出なければ課税されることはありません。

仮に利益が出たとしても条件次第で特例や控除が使えるため、一般的な売却では大きな納付額はかからないと見て良いでしょう。

マンション売却時に利用できる控除や特例

マンション売却時に利用できるものとして、控除や特例があります。控除や特例を利用すれば節税になり、手元にお金を残すことにつながるのはメリットのはずです。

ここでは売却して利益が出たときに利用できる控除や特例と、売却して損をしてしまっても利用できる特例をそれぞれ紹介していきます。

利益が出た場合に利用できるもの

まず利益が出た場合に利用できる制度からです。

マンションを売却するときにかかる税金は数百万円以上になることもあります。税負担を減らすために控除や特例を有効活用しましょう。

  1. 3,000万円の特別控除
  2. 居住用財産における軽減税率の特例
  3. 居住用財産の買換え特例

以上をそれぞれ見ていきましょう。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除はマンション売却の際、所有していた期間にかかわらず譲渡所得が3,000万円までは控除されます。

たとえば、マンションを売却して2,500万円の利益が発生した場合、この特別控除が適用されれば譲渡所得が0円になります。

そのため、譲渡所得税を納める必要がないというわけです。

この制度を利用するには、過去2年間同じ特例を使っていないかどうかなど、いくつかの条件があります。

【参考記事】

マンションの売却時に適用される3,000万円控除とは?適用条件もあわせて解説

マンション売却で3,000万円特別控除を利用したい場合は、上記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

軽減税率の特例

次に軽減税率の特例です。売却したマイホームのマンションが10年を超えている場合、譲渡所得6,000万円以下の部分にこの制度が適用され、税率を軽減することができます。

これは通常の長期譲渡所得税率よりも軽くなります。

6,000万円以下6,000万円超
所得税10.21%15.315%
住民税4%5%
合計14.21%20.315%

譲渡所得6,000万円以下の部分が税率14.21%です。

また、3,000万円特別控除の特例と併用することが可能な点から活用しやすいでしょう。

買換え特例

マンションの買換え時に、売却したマンションの売却価格と新しく購入したマンションの購入価格を差し引きして、その額に対しての課税を先送りにする制度です。

新しく購入したマンションを売却するまで、課税を延長できるという制度のため、税金が免除されるというわけではありません。

適用条件は10年以上住んでいたマイホームを売却するとき、などいくつかあります。

また、買換え特例は「3,000万円の特別控除+軽減税率」とは併用できませんので、しっかりと検討しましょう。

引用:「国税庁 特定のマイホームを買い換えたときの特例

損失が出た場合は「損益通算および繰越控除の特例」が利用できる

マンション売却の結果、損をしてしまった場合でも条件に当てはまれば控除が可能です。

この特例は買換えた場合と買換えではない場合、それぞれのシーンで利用することができます。

まずはマイホームを買換えた場合にいくつかの条件を満たすと、売却した年の他の所得と相殺することが可能です。

一方、マイホームマンションを売却して賃貸物件に住み換えるような場合では、「譲渡収入金額–譲渡費用–取得費用」と「売却価格-住宅ローンの借入残高」をくらべて、少ない方の金額を他の所得と相殺することが可能です。

利益が出たら節税のための特例や控除。利益にならないで損をしてしまっても相殺できるような特例があるのですね。

いずれにしても損をすることはありません。確定申告をすることで利用できる特例をムダにしないよう、積極的に活用していきましょう。

相続したマンションを売却した時の節税対策

マンションを売却するとしたら少しでも節税したいものです。では、相続したマンションを売却した場合、どのような対応を取ると間違いないのでしょうか。

ここでは、相続したマンションの取得費に使える特例と、空き家売却に利用できる控除をそれぞれ紹介します。

相続マンションの取得費に使える特例

親から相続したマンションを売った場合でも、利益が出れば譲渡所得税はかかります。

譲渡所得の計算において取得費を求める場合、親が支払ったマンション購入代金や手数料などをもとに計算することになります。

このとき、相続税の一部を取得費に加算できる特例が、取得費加算の特例です。

この特例を利用するための条件は、以下のとおりです。

  • 相続によって財産を取得している
  • 財産取得にあたって相続税がかかっている
  • 相続した日の翌日から3年10か月以内に売却している

また、計算式は以下のとおりです。

相続税の金額×売却マンションの課税価格÷(相続財産の合計の課税価格+債務控除額)

債務控除額は親が残した借入金など、遺産総額から差し引ける債務額のことです。

この取得費加算の特例を利用すると、相続税額で計算した金額を取得費に加えられます。その結果として、譲渡所得の金額を減らすことができ、税負担を抑えられるというわけです。

マンションを相続するときの相続乃木坂税、マンション売却時の譲渡所得税と2重に課税されないよう税額調整のための特例といえるでしょう。

相続マンションの空き家を売却した時に使える控除

相続したマンションが空き家であり、その空き家のマンションを売却した場合には譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。

空き家の3,000万円特別控除と呼ばれる控除で、いくつかの条件に当てはまる場合に利用が可能です。

代表的な条件としては、

  1. 相続開始直前まで親が一人暮らしをしていたこと
  2. 1981年5月31日以前に建てられているもの
  3. マンションを相続してから売却するまで、賃貸などに出してないこと
  4. 一定の耐震基準を満たしていること
  5. 相続開始日から3年目の年の12月31日までに売却すること

以上になります。

引用:「国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置

この控除を利用するための確定申告では自治体で発行している「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要です。

条件に合った場合、節税できますのでぜひ活用してみましょう。

マンションを相続した場合、売却費用の負担がかかる場合もあって空き家が増えていますよね。

相続空き家の売却に使える制度は、その空き家を減らす取り組みでもあります。相続マンションの空き家売却に使える控除を利用して税負担を減らしましょう。

不動産売却は税金を含めて相談できる専門会社に依頼しよう

この記事では、マンション売却にかかる税金の種類や特例、節税について紹介してきました。

マンションを売却したあとの税金については、利益が出れば所得税や住民税などを合わせた譲渡所得税として納税する義務があります。

しかしながら、特例や控除などを使うことで節税に期待がもてるため、税金について知っておくことで不安を解消できるかもしれません。

大切なお金を少しでも手元に残すために、損をしない方法を確実に選択したいものです。

また、個人で調べながら一つ一つ対応しても問題ありませんが、時間がかかりなかなかスケジュールどおりにいかない可能性もあります。

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