マンションの査定を簡易的にしたい!注意点や売却時の利用方法などを解説

マンションの売却を計画するときには、どのくらいの価格で売れるのか目安が欲しくなると思います。

しかし、どのように売却したいマンションの相場を把握するのか、分からない人がほとんどです。

この記事ではマンションの簡易査定(机上査定)の利用の注意点、利用方法などについて詳しく解説していきます。

簡易査定とはどのようなものなのでしょうか?

簡易査定とは訪問が必要なく、書類のみで行う査定です。

マンション売却を行う上で、なぜ簡易査定が必要なのでしょうか?

簡易査定を行う理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は大まかな売却金額を知ることです。
2つ目は不動産会社を知ることです。
それでは詳しく説明していきます。

マンション売却の際の簡易査定とは?

そもそも簡易査定とはどういった内容の査定なのでしょうか。

この章では、簡易査定の概要とともに簡易査定の目的についてもお話していきます。

簡易査定とは?

簡易査定とは机上査定とも呼ばれ、売主からお預かりした書類上のデータをもとに、査定を行う方法です。

マンションへの訪問などを必要とせず、類似物件の過去の成約実績や現在販売に出ている類似物件の価格を参考に査定を行います。

査定結果は1日から2日で分かりますが、その分正確性にやや欠けますので、査定額はあくまでも参考程度に考えましょう。

簡易査定に対して、現地の周辺調査や物件の確認を行う詳細査定(訪問査定)があります。

詳細査定は3日から7日ほどで査定結果が分かります。

簡易査定の目的①大まかな金額を知る

簡易査定は査定結果が早く分かる分、正確性に欠ける点があります。

そのため複数の不動産会社に簡易査定を依頼することで、概算ではありますが売却額の目安となる金額が分かってきます。

不動産会社によっては2割ほど査定金額に差がでることもあるので、5社以上を目安に簡易査定を受けるといいでしょう。

基本的に簡易査定価格の根拠は以下の点を考慮して算出されています。

  • 過去、実際に売れた成約価格
  • 現在、販売中の物件
  • 路線価や固定資産税評価額などの公的な価格
  • 景気の動向

簡易査定の目的②不動産会社を知る

最近増えているAIを利用した自動査定と比較すると、不動産会社に訪問し簡易査定を受ける場合は、対面で行うので、不動産会社をより深く知ることにも繋がります。

不動産会社が売却したいマンションの周辺エリアを得意としているか分かる点や、口頭でマンションの状態などを伝えられる点は、対面ならではと言えるでしょう。

また、今後付き合っていく上でスタッフの姿勢や接客態度を知れることは大きなポイントだと言えます。

マンションの簡易査定から詳細査定へ

この章では詳細査定の概要についてと、簡易査定と詳細査定のどちらも実施すべき理由を解説していきます。

詳細査定とは?

詳細査定は訪問査定とも言い、机上査定の内容に加えて、物件を直接訪問して建物の状況や周辺環境などの調査を行う査定方法です。

詳細査定の目的は様々ありますが、以下のようなことが代表的です。

  • 精度の高いマンションの売却価格を知り、売り出し価格を決めるため。
  • ローンが残っている場合、精算可能か正確に把握する必要があるため。
  • 離婚や相続といった財産分与を行う場合、売却の承認などの検討材料となるため。

詳細査定は、簡易査定の内容に加えて物件訪問や周辺環境調査に時間を要するので、3日から1週間かかることが通常です。

もっと詳しく詳細査定について知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】

マンション売却を成功させるには訪問査定の事前準備が必須

また、詳細査定は簡易査定を受けた不動産会社の中から、3社以上を目安に依頼します。詳細査定を複数社に依頼する理由について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

【参考記事】

マンション売却の査定は複数社に依頼する?方法や注意点について解説

簡易査定と詳細査定の両方を行う意味

まず簡易査定をすることで、マンションの大まかな査定額を把握でき、売却に踏み切るかの検討材料とする人が多いです。

簡易査定を受けたいくつかの不動産会社の中から、査定金額、査定時の対応、査定の根拠などを踏まえて、詳細査定を受ける不動産会社を選ぶようにしましょう。

簡易査定を受けた中から詳細査定を受ける不動産会社を選ぶ方が、いきなり全く知らない不動産会社に詳細査定をお願いするよりもずっと気が楽なはずです。

もし詳細査定をお願いした不動産会社が、売却するマンションのエリアに精通していなかったり、売却への熱量がなかったりすると時間の無駄になってしまいます。

簡易査定では詳細査定を受ける不動産会社を見極める重要な段階と言えるわけです。

方法内容メリットデメリット
机上(簡易)査定間取りや築年数、立地、過去の成約事例をもとに査定額を算出。査定結果が1日から2日で分かる。データを元に査定額を算出するので、建物の状況や周辺環境などが査定に考慮されない。
訪問(詳細)査定実際に担当者が訪問し、建物の状況や周辺環境を考慮し、査定額を算出する。担当者が訪問して査定をするので、机上査定よりも精度が高い。訪問する必要があるので、机上査定よりも査定額の算出に時間がかかる。

簡易査定のメリットはどういう点ですか?

必要な書類を用意していれば1日から2日で査定結果が分かる点です。

詳細査定は簡易査定とどのような違いがありますか?

詳細査定は物件訪問や周辺環境調査を行います。
実際に現地へ行く必要があるので、査定に3日から1週間かかります。

マンションの簡易査定からの売却の流れ

この章では、簡易査定前に準備すべきことから売却までの流れを説明していきます。

売却までの流れとしては6つの過程があります。

  1. 簡易査定に使う資料の準備
  2. 簡易査定を受ける前に相場の確認
  3. 簡易査定を受ける
  4. 詳細査定を受ける
  5. 媒介契約を結ぶ
  6. 売却へ 

順に説明していきたいと思います。

簡易査定に使う資料

マンションの簡易査定を受けるにあたり、準備する資料は以下のとおりです。

  • 間取り図
  • パンフレット類
  • 重要事項説明書
  • 売買契約書
  • 管理規約・使用細則

上記資料は必ず用意するようにしてください。

また、マンションは一戸建てと違い、管理規約や使用細則があり、物件の価格を左右する大きな要因となります。

中古マンションはリノベーションを前提に購入する人が多いのが特徴です。

マンションによっては、カーペットからフローリングへの変更を禁止していたり、水回りの移動を禁止していたりしていることもありますので、そのような情報は事前に把握しておくようにしましょう。

査定前に行うこと

簡易査定に使う資料の準備

普段あまり関わることの少ない内容の資料ですが、家のどこかに保管していると思います。

マンション売却の際、必要となるものですので、間取図、パンフレット類、重要事項説明書、売買契約書、管理規約・使用細則の5つは確実にそろえてください。

簡易査定を受ける前に相場の確認

何も分からない状況で査定金額を提示されても、その金額が妥当なのか分からない状態ではなかなか売却に踏み切ることは難しいと思います。

事前に大手ポータルサイトのスーモやアットホームなどを活用し、近隣で専有面積、間取りなどが似ている物件がいくらで売られているのかを把握しておきましょう。

簡易査定を受ける

資料をそろえ、相場の確認、不動産会社のチェックが終われば、次は実際に簡易査定を受けます。

簡易査定にもWebサイトを通じて一括で複数の不動産会社に依頼する方法と、不動産会社に訪問し対面で査定を受ける方法があります。

Web上で完結する方法は楽ですが、不動産会社に訪問し対面で行う方法よりも正確性は落ちるというデメリットがあります。

不動産会社の訪問し対面で行う場合は、口頭ベースではありますが、書類上の情報に加えてマンションの状態や周辺環境についても伝えられるので、少しでも正確性をあげようとするならば、不動産会社に訪問して簡易査定を受けることをおすすめします。

通常は査定依頼後、1日から2日で査定結果が分かります。

詳細査定を受ける

簡易査定を受け、マンションの大まかな査定金額が分かってくれば、次は詳細査定を受けます。

簡易査定を依頼した複数の不動産会社から3社以上を目安に詳細査定の依頼をします。

どの不動産会社に詳細査定を依頼するかの基準としては、

  • 売却しようとしているマンションのエリアに知見がある
  • 簡易査定の根拠を丁寧に説明してくれる
  • マンション売却に対して高く売ろうとする熱量がある

上記のようなポイントを踏まえて、詳細査定を依頼する不動産会社を選びましょう。

不動産会社によって査定額の価格差はどうしても出てしまいます。

詳細査定を受け、自分が納得できる価格とその根拠を提示してくれる不動産会社を見つけましょう。

参考データ:査定額の価格差

引用:イエウール

媒介契約

詳細査定を受け信頼できる不動産会社が見つかれば、次は媒介契約を結びます。

宅地建物取引業法では「媒介契約」を以下のように規定しています。

第三十四条の二 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。

引用:宅地建物取引業法 第34条の2(媒介契約)|e-Gov法令検索

媒介契約とは不動産会社と売主が、売却活動内容や報酬などについて合意した契約のことです。

詳細については、リンク先の記事を参考にしてください。

【参考記事】

3種類の媒介契約とは?不動産売却で失敗しない最適な選び方を解説

売却へ

媒介契約後、買主が見つかり売買契約締結、マンションの引き渡しまで行い売却完了となります。

マンション売却完了までは、最低でも3カ月はかかりますので余裕を持って行動することをおすすめします。

売主側の事情で、マンションを早く現金化しなければならないような場合、不動産会社が「買取」を行ってくれるケースもあります。

【参考記事】

マンションの買取りとは? 仲介による売却との違いやメリット・デメリット、流れ、注意点などを解説!

簡易査定の利用方法

これまでの章では、売却までの流れを基本的な用語を解説しながら進めてきました。

この章では、簡易査定の利用方法について詳しくお話ししていきます。

査定は無料で行える

そもそも査定は無料で行えるのでしょうか。

結論、不動産会社に依頼する簡易査定と詳細査定のどちらも無料で行うことができます。

不動産会社は宅地建物取引業法により、媒介契約を結んだ後の成約による仲介手数料が、報酬となると定められています。

不動産会社は査定を通じてお客様と信頼関係を築くことを目的としていますので、査定の段階でお金がかかることはありません。

不動産鑑定士などの専門家に査定を依頼する場合は例外です。

査定額と根拠を比較

簡易査定の結果を受け取った際、ただ高い査定額を提示してきた不動産会社を選ぶのではなく、なぜこの査定額になったのか、根拠の部分に焦点を当ててみましょう。

不動産会社は仕事をする上で、売る物件がなければ商売になりません。

一部の不動産会社は媒介契約を結ぶため、根拠もなく高い査定額を提示してくる場合もあるので注意が必要です。

また、査定を受けた不動産会社が精通していないエリアの場合などは、仕事を断るためにあえて低い査定額を提示してくる場合もあります。

不動産会社に相談する意味

ネット上のAI等を利用した自動査定は個人情報を明かさず、瞬時に結果が判明するため、簡単で便利です。

しかし、「早く売りたい」「なるべく高く売りたい」などの要望や、住替え、離婚、相続、経済困難などの事情を考慮できないので、どうしても査定に幅が出てしまいます。

実際にAIでの自動査定を利用して、査定額に900万円の幅が出てしまった事例もあります。

  • A社査定額:5,300万円
  • B社査定額:4,900万円
  • C社査定額:5,800万円

不動産会社による簡易査定では、自動査定では考慮できない要素を加味した査定ができるのは当然ながら、実際に担当者と話ができるので、接客態度、売却への熱量も把握できるのが大きなメリットです。 

マンションの簡易査定利用の際の注意点

この章ではマンションの簡易査定を利用する際の注意点を説明していきます。

事前に相場を知っておく

何も分からない状況で査定金額を提示されても、その金額が妥当なのか分からなければ、なかなか売却に踏み切ることは難しいと思います。

事前に大手ポータルサイトのスーモやアットホームなどを活用し、近隣で専有面積、間取りなどが似ている物件がいくらで売られているのかを把握しておきましょう。

 また、査定を受ける不動産会社をチェックすることも必要です。

不動産会社にも得意なエリア、あまり精通していないエリアが存在します。 

その不動産会社がどのエリアを得意としているのか、評判は良いかなどの最低限の情報は把握しておくようにしましょう。

物件情報の内容で査定の精度が変わる

間取図、パンフレット類、重要事項説明書、売買契約書、管理規約・使用細則の必須資料の他に、室内や共有部分の状況、インスペクションの有無、自治会の状況などを伝えることで、査定の正確性はアップします。

しかし、実際に訪問しないと分からない要素も多くあるので、あくまでも大まかな売却金額を把握するために利用しましょう。

売却の要望や事情を伝える

マンション売却も人と人とのやり取りですので、「早く売りたい」「なるべく高く売りたい」などの要望や、住替え、離婚、相続、経済困難などの事情は包み隠さず伝えるほうが良いでしょう。

査定額自体に大きな変動はありませんが、担当者に「どうしてもなんとか売ってあげたい」と思ってもらうほうが、その後の売却活動にプラスに働く可能性があります。

事前の相場はどのように調べたら良いでしょうか?

大手ポータルサイトのスーモやアットホームを利用して類似物件の販売価格を参考にしましょう。

簡易査定を受ける際、必要な資料の他にどのような情報を伝えたら良いでしょうか?

室内や共有部分の状況、インスペクションの有無、自治会の状況などは査定の正確性がアップするので、伝えるようにしましょう。

その他に伝えた方が良いことはありますか?

「早く売りたい」「なるべく高く売りたい」などの要望や、住替え、離婚、相続、経済困難などの事情は包み隠さず伝えるようにしましょう。

マンションの簡易査定に関するまとめ

今回は、マンション売却の手順、方法と簡易査定について詳しく説明しました。

簡易査定では5社以上の不動産会社に依頼することで、売却したい物件の大まかな相場を把握することができ、信頼できる不動産会社も見つけることができます。

簡易査定を受けた不動産会社の中から詳細査定を依頼し、媒介契約という流れになるので、信頼できる不動産会社を探す上で、簡易査定は必ず実施するようにしてください。

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簡易査定を行う目的はなんでしょうか?

売却物件の大まかな相場を把握すること、後に媒介契約を結ぶ信頼できる不動産会社を見つけることです。

簡易査定を受ける前の注意点はありますか?

売却したいマンションの相場を知らずに査定を受けても、その査定が妥当かの判断ができないので、スーモやアットホームを利用して類似物件の販売金額を見ておきましょう。
また、間取図、パンフレット類、重要事項説明書、売買契約書、管理規約・使用細則の5つの資料は必ず用意しましょう。

滋野 陽造

執筆者

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

経歴:早稲田大卒。マスコミ広報宣伝業務・大手メーカー等のWebディレクターを経て、不動産関連業に従事。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた解説をします

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