資産価値のない家を相続したときの対処法8つ|価値の調べ方や注意点も解説

資産価値のない家を相続したときの対処法8つ|価値の調べ方や注意点も解説

不動産(土地や家)は高額な相続財産の代表例ですが、親の家を相続しても住む予定がなく、資産価値もなければ以下のような疑問や不安を抱えてしまうでしょう。

  • 誰が相続して管理するのか?
  • 売却処分したいけど資産価値のない家でも売れるの?
  • 相続した空き家を放置するとどんな問題が生じる?
  • 相続しなくてもよい方法はある?
  • 空き家の資産価値っていくらなの?

空き家の長期化はいずれトラブルの原因になるので、相続した後は自分で利用する、賃貸物件にする、売却処分などの方法を考えておきたいですね。
資産価値のない空き家でも利用価値がゼロとは限らないため、諦めずに自分に合った処分方法を見つけておきましょう。
今回は、資産価値のない家を相続するリスクや有効な対処方法、家の価値の調べ方などを分かりやすく解説します。

資産価値のない家って田舎にしかないの?

いえ、そうとも限りません。実は空き家が一番多い都道府県は東京都です。土地の値段は高額ですが、築年数が極端に古い家や、立地条件の悪い建物はかなり資産価値が低いでしょう。

目次

相続予定の資産価値のない家の4つの扱い方

資産価値のない空き家を相続してもほとんどメリットはないため、売却処分・贈与・寄付のいずれかを考えておくとよいでしょう。相続そのものに関わりたくない場合は、相続放棄も選択できます。
相続発生後は通夜・葬儀、役場関係の手続きなどに忙殺されて対応が遅くなるので、なるべく早いうちに考えておくことがポイントです。

相続放棄を検討しておく

相続放棄すると相続権が消滅するため、資産価値のない空き家の相続に関わる必要がなくなります。
相続放棄は家庭裁判所で手続きしますが、申述期限(相続放棄を申し立てる期限)が短いので、相続開始前から財産調査を進めておくとよいでしょう。

相続後に売却する

資産価値のない家でも売却処分できる可能性は十分にあります。
ただし、売却完了までには数ヶ月かかるケースが多いので、あらかじめ不動産会社に相談しておくとよいでしょう。
法務局から登記事項証明書を取り寄せ、事前に土地や家の権利関係も確認してください。

相続後に贈与する

賃貸住まいの親族や知人が空き家を欲しがるケースもあるので、相続後の贈与も検討してください。
資産価値が110万円(贈与税の基礎控除額)を超えると贈与税がかかりますが、一般的な売買価格よりも安く購入できるので、お得な物件になるかもしれません。
なお、父母や祖父母が直系の子供や孫へ贈与する場合、一定額まで非課税となる特例贈与も利用できます。

相続後に寄付する(難しい)

一部の自治体やNPO法人では不動産の寄付を受け付けています。
ただし、寄付の条件がかなり細かいので、ハードルの高い処分方法になるでしょう。

資産価値のない家を相続するリスク

資産価値のない空き家を相続する場合、以下のようなリスクが発生します。
固定資産税なども含めた維持・管理コストが必要となり、空き家を放置すると近隣住民に迷惑もかかるので、対処可能かどうかを検討しておかなければなりません。

固定資産税や都市計画税の負担

資産価値のない家でも以下のように固定資産税が発生し、市街地であれば都市計画税もかかります。

  • 固定資産税:固定資産税評価額×1.4%
  • 都市計画税:固定資産税評価額×0.3%

固定資産税と都市計画税は不動産を所有し続ける限り課税されるので、土地と家を合わせて300万円程度の評価額だったとしても、毎年約5万円を収めなければなりません。
本来は土地と家を相続した人の問題ですが、納税通知書は遺産分割が決着していなくても送付されるので、「誰が払うか?」で揉めてしまうケースがあります。

相続人全員が「住んでいないのに固定資産税だけ払うのは嫌だ」と考えた場合、資産価値のない空き家はそのまま放置される可能性が高いでしょう。

維持・管理の労力と費用の発生

資産価値のない空き家でも定期的な手入れは必要なので、所在地が遠方であればガソリン代や高速料金が必要です。
以下のグラフは国土交通省が公表する「令和元年空き家所有者実態調査」の結果ですが、調査対象の空き家総数のうち、約28%は相続人の家から1時間超の距離にあります。

引用:令和元年空き家所有者実態調査(国土交通省)

山間部や農村部の家であれば、刈払い機(草刈り機)などの農機具代や燃料代、除草剤などの費用も発生します。
農地も一緒に相続した場合、1日だけで草刈りが終了するケースはほとんどないので、春先から初秋までは自宅と空き家を何度も往復することになるでしょう。
空き家を長期間放置すると屋根や床下が傷みやすく、どちらも修繕には高額な費用がかかります。
資産価値のない空き家を相続するときは、往復に費やす時間と交通費、維持・管理に必要な労力を考えておかなければなりません。

相続税申告に間に合わない可能性がある

相続税は相続財産全体にかかる税金なので、不動産や預貯金、株式などの合計額が以下の基礎控除を超えた場合、超過部分に対して課税されます。

相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

家に資産価値がなくても預貯金などが多ければ、相続税がかかるケースもあるでしょう。
ただし、空き家があると遺産分割がまとまりにくいため、誰がどの財産を引き継ぐのか決まらないまま相続税の申告期限を迎えてしまう可能性があります。
相続財産の取得者が決まらなければ、各自の納税額も確定しないということですね。

なお、相続税の申告期限に間に合わない場合、法定相続分どおりに分割したとみなした仮申告(未分割申告)が認められます。
遺産分割の確定後にあらためて申告・納税もできますが、二度手間は避けるべきでしょう。

相続税っていつまでに払うの?

相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。申告・納税を漏らすと追徴課税のペナルティがあるので注意してください。

空き家を放置したときに発生する問題

放置された空き家は劣化が早いので、さらに資産価値が下がってしまいます。
以下のグラフも「令和元年空き家所有者実態調査(国土交通省)」の結果ですが、管理頻度は月に1回から数回、年に1回から数回が半数以上を占めています。
年に数回、換気や掃除を行う程度の管理であれば、雨漏りや床下の腐朽に気付かないケースもあるでしょう。

引用:令和元年空き家所有者実態調査(国土交通省)

資産価値が下がれば売却価格も低くなり、自分で住む場合はいずれ修繕費が必要になります。
人が住んでいる家は「住宅用地の特例」が適用されるため、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に抑えられていますが、特定空き家(※)は適用除外です。
「資産価値のない家だから」などの理由で空き家を放置すると、将来的には固定資産税が最大6倍、都市計画税は3倍になる可能性があります。

※家屋の傷みが著しく、倒壊などのリスクがある空き家を「特定空き家」といいます。

近隣住民とのトラブル

資産価値のない空き家を長期間放置すると、近隣住民とのトラブルに発展しやすいので注意してください。
老朽化した家は災害時におけるブロック塀の倒壊、屋根瓦の落下などが発生しやすく、街の景観を損ねるなどの問題が発生します。
隣家とのトラブルだけにとどまらず、自治会などから苦情が出るケースもあるので、相続後の空き家が近隣住民へおよぼす影響も考えておきましょう。

損害賠償請求される恐れ

相続した空き家が原因でケガ人が出る(倒壊など)、または土地の管理を怠ったために近隣農地に害虫被害などが拡大した場合、損害賠償請求される恐れもあります。
被害者に後遺障害が残ったときや、収穫時期の農作物に被害が出ると数百万~数千万円の賠償金になる可能性が高いでしょう。
相続した不動産が離れた場所にあっても、定期的に通って適切な管理を行わなければなりません。

相続登記の問題が発生する

家の築年数や土地の取得時期が古い場合、どちらもご先祖様名義になっていることがあるので注意してください。
田舎の不動産によくある問題ですが、過去の相続登記(相続人名義にする手続き)が放置されていると、権利関係者が数十人になっている場合もあります。

権利関係が複雑な不動産は相続が事実上困難となりますが、2024年4月1日からは相続登記が義務化されるため、放置もできなくなります。
相続登記の義務化がスタートすると、相続開始から3年以内に登記申請を完了させる必要があり、怠った場合は10万円以下の過料(罰金)も発生します。
過去に放置された相続登記にも遡って適用されるので、相続放棄しか選択できない可能性もあるでしょう。

資産価値のない家を相続するときの対処法8つ

資産価値のない空き家でも、第三者にとっては魅力的な物件かもしれないので、賃貸や売却処分できる可能性があります。
空き家をそのまま残して物置や賃貸物件にする、あるいは売却処分や相続放棄など、以下の選択肢を視野に入れておくとよいでしょう。

  • 【空き家を活用】1.セカンドハウスや物置として利用する
  • 【空き家を活用】2.賃貸物件として活用する
  • 【空き家を手放す】3.空き家バンクに登録する
  • 【空き家を手放す】4.自治体やNPO法人などに寄付する
  • 【空き家を手放す】5.不動産仲介で売却する
  • 【空き家を手放す】6.不動産会社の買取りを活用する
  • 【空き家を手放す】7.相続放棄する
  • 【空き家を手放す】8.相続土地国庫帰属制度を活用する

では、売却処分などの具体的な内容をみていきましょう。

資産価値のない家を活用する

資産価値のない家でも利用価値は高いケースが多いので、相続してもすぐには手放さず、以下のような活用方法を検討してください。

1.セカンドハウスや物置として利用する

相続した空き家に自分で住む予定がないときや、仏壇を残しておきたいときは、とりあえずセカンドハウスや物置に利用してみましょう。
セカンドハウスにすると法事の際に親戚が集まりやすいので、別に会場を用意したり、宿泊用にホテルを予約したりする必要がありません。
空き家を物置として活用すれば、レンタル倉庫を利用している方は毎月の出費を抑えられます。

ただし、固定資産税などの税金や往復の交通費が発生し、草むしりなどの労力もかかるので、自分だけで対応できるかどうか十分に検討しなければなりません。
電気・ガス・水道も使える状態にしておく必要があり、火災保険にも加入する必要があるでしょう。

2.賃貸物件として活用する

借り手がいれば賃貸物件に活用できるので、資産価値のない家でも空き家にならず、家賃収入も入ります。
ただし、賃貸借契約によって入居してもらった場合、原則として貸主側(自分)からの契約解除はできなくなります。
土地の管理責任や家の修繕義務も貸主側にあるので、大規模地震に備えて耐震工事するなど、家の状態によっては高額な費用がかかるかもしれません。

資産価値のない家を手放す

相続した空き家に自分で住む予定がなく、活用する予定もなければ負の財産になるため、以下のように寄付や売却処分、相続放棄なども検討してください。

3.空き家バンクに登録する

相続した家を自治体の空き家バンクに登録すれば、地方への移住希望者に売却処分できます。
あえて築年数が古い家を購入し、自分流のリフォームを楽しむ人も多いので、修繕費用をかけなくても売却処分できる可能性があるでしょう。
ただし、一般的な不動産売買よりも流動性が低いので、購入希望者があらわれるまでに時間がかかるケースもあります。

4.自治体やNPO法人などに寄付する

相続した空き家を売却する予定がなければ、自治体やNPO法人への寄付も検討してみましょう。
寄付できれば土地や家の管理義務から解放されます。
ただし、所在地以外の自治体には寄付できず、NPO法人も離れている場所の不動産は受付けてくれない可能性があります。
ある程度の資産価値がある不動産に限られるので、寄付先は地道に探すしかないでしょう。

5.不動産仲介で売却する

資産価値がない空き家でも需要があれば売却処分できます。
不動産会社と媒介契約(買い手探しを依頼する契約)を結べば、広告などの売却活動によって買い手を探してくれます。
需要の高い地域は一般媒介契約、早く売却したいときは専任媒介契約などの種類があるので、不動産会社とよく相談してみましょう。

なお、不動産仲介の場合は仲介手数料が発生し、売却完了までに早くて3ヶ月程度、一般的には6ヶ月近くかかります。
売却処分にコストをかけたくない方や、急いで売りたい方は、以下の不動産買取りを検討してみましょう。

6.不動産会社の買取りを活用する

不動産買取りは不動産会社が直接買い取ってくれるので、1週間程度で空き家を売却処分できます。
買取価格は仲介の60~80%程度になりますが、以下のようなメリットがあるので、相続空き家の問題を早く解決したい方におすすめです。

  • 現金化が早い
  • 仲介手数料がかからない
  • 内覧(内見)に対応する必要がない
  • 周囲に知られずに売却できる
  • 売主の契約不適合責任がない

不動産買取りの場合は仲介手数料がかからず、売却先が不動産会社になるので内覧も不要です。
新聞折り込みやネット広告などの売却活動もないので、売却を周囲に知られたくない方には大きなメリットになるでしょう。
不動産仲介と異なり売主に契約不適合責任がないため、契約後に建物の瑕疵(欠陥やシロアリ被害など)が発覚しても修繕費を支払う必要がありません。
相続した土地や家に未練がなく、早く処分したい人は買取りを検討してみましょう。

仲介と買取りはどちらがお得なの?

買取りが得になることもあります。仲介の場合、買い手が見つかるまで自分で維持・管理コストを負担しなければなりません。
買い手が見つからなければ希望価格を下げる必要もあるので、結果的に買取りが得だったというケースもあるようです。

7.相続放棄する

相続放棄を選択すると最初から相続人ではなかったことになるため、資産価値のない空き家相続に関わる必要がありません。
通常、被相続人(亡くなった方)に多額の借金がある場合に選択されますが、以下のような理由で相続放棄するケースも少なくないようです。

  • 親族の仲が悪いので相続に関わりたくない
  • 不要な財産を相続したくない(空き家など)

相続放棄は家庭裁判所へ申し立てることになり、相続権のある人しか選択できないため、手続きが可能になるタイミングは相続開始後(相続権の発生後)となります。
なお、相続放棄は「相続開始を知った日から3ヶ月以内」が申述期限となっており、期限後の相続放棄は原則として認められません。
わずか3ヶ月で相続するか・放棄するかを決めなければならないので、相続開始前から相続財産の調査を進めておくとよいでしょう。

相続放棄と相続財産の調査は何の関係があるの?

「資産価値のない空き家を相続したくない」が相続放棄の理由だったとしても、ほかに高額な財産があれば「相続放棄はもったいない」となりますよね。相続財産の全容がわかれば的確な判断ができるので、預貯金や不動産、借金などはすべて調べておく必要があります。

8.相続土地国庫帰属制度を活用する

相続土地国庫帰属制度を活用すると、相続した土地を国が引き取ってくれます。
2023年4月27日にスタートする制度ですが、対象が土地に限られるので家は解体しなければなりません。
隣地との境界が不明確な土地や、抵当権が設定されている土地などは国庫帰属が認められず、原則20万円(土地面積などによって変動)の負担金も必要です。
ほかにも細かな要件があるので、制度開始までに調べておくとよいでしょう。

不動産の資産価値の調べ方

不動産の価値は相続時と売却時、土地と建物でそれぞれ評価方法が異なります。
大まかな金額は自分でも調べられるので、以下を参考にしてください。

建物の売却価格

建物の売却価格を正確に算出するときは、不動産鑑定士に鑑定を依頼します。
鑑定方法の種類は様々ですが、家と土地がセットになっている中古物件は「原価法」を使うケースが多いでしょう。
原価法の場合、売却物件を再調達(再建築)したときにかかる費用を計算し、経年劣化によって下がった価値を差し引いて、現在の資産価値を算出します。
原価法は以下のように計算するので、再調達価額などを理解しておく必要があります。

原価法の計算式:再調達価額×延床面積×残存年数÷耐用年数

再調達価額(建築価額)や耐用年数は国税庁ホームページに掲載されており、耐用年数から築年数を差し引くと残存年数(資産価値を算出できる期間)がわかります。

参考:建物の標準的な建築価額表(国税庁)
参考:建物の耐用年数(国税庁)

建物の相続税評価額

建物を相続する場合、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。
固定資産税評価額は固定資産税の課税明細書に記載されていますが、手元になければ役所で固定資産評価証明書を取得するとわかります。

土地の売却価格

土地の売却価格は実勢価格(実際に売買されている価格)を参考にするので、公示地価や基準地価の1.1~1.2倍程度が一般的な相場になります。
価格の種類が多いのでわかりにくいかもしれませんが、簡単に説明すると以下のようになります。

  • 公示地価:国が算出する基準地1㎡あたりの土地価格
  • 基準地価:都道府県が算出する基準地1㎡あたりの土地価格
  • 実勢価格:公示価格や基準地価をベースとした売買価格

公示地価や過去の売買価格は以下のサイト(国土交通省)で確認してみましょう。

参考:土地総合情報システム(国土交通省)

土地の相続税評価額

土地を相続した場合、市街地であれば路線価方式、市街地以外は評価倍率方式で相続税評価額を計算します。
路線価方式は「路線価×土地面積(㎡)」で計算するので、国税庁ホームページの路線価図を参照し、相続した土地に接する道路の路線価を確認しておきます。
路線価は1,000円単位で表示されるため、「300D」や「250C」であれば、1,000倍にした30万円や25万円が1㎡あたりの価格になります。
最後のアルファベットは借地権割合を示しており、貸主と借主の権利の割合(権利の強さ)をあらわしています。

評価倍率方式も国税庁ホームページから評価倍率表を参照し、「固定資産税評価額×倍率」で土地の相続税評価額を計算します。
一般的な宅地の場合、倍率は1.0や1.1になっているケースが多いでしょう。

すぐに調べたいときは「家プロ」の簡単査定が便利

「自分で売却価格を計算するのは面倒だな」と思っている方は、家プロの簡単査定を利用してみましょう。
家プロの簡単査定はAIによる自動計算ではなく、買取アドバイザーが専門家の目線で査定するため、精度の高い買取価格がわかります。
購入希望者とのマッチングも早く、権利関係が複雑な物件や、何らかの事情で「ワケあり物件」になった家や土地にも査定額がつくケースがあります。

査定額に納得できれば1週間程度で買取りが完了するので、相続した家と土地を早めに処分できるでしょう。

資産価値のない家を相続するときの注意点

資産価値がない家でも定期的に税金が発生し、維持・管理コストもかかるので、相続後は早めの処分を検討するべきでしょう。
ただし、以下の注意点もあるので、処分方法を決める前に対応しなければなりません。

相続登記を済ませておく

相続した不動産を賃貸や寄付、売却や買取りしてもらう場合、いずれも相続登記が必要です。
所有権が被相続人のままでは何もできないので、早めに法務局で相続登記を済ませておきましょう。

必ず権利関係を確認する

土地や家を相続することになったら、まず登記事項証明書(全部事項証明書)を取り寄せて権利関係を確認してください。
物件によっては抵当権が設定されている(ローン返済中)、または抵当権の抹消登記が放置されているケースがあります。

抵当権が設定されているけど購入代金の支払いは終わっているはず。これなら大丈夫?

抵当権が設定されていると売却処分できないので、抹消登記は必ず行ってください。ただし、取得時期の古い不動産は当時の書類が残っていないケースが多いので、不動産会社や司法書士への相談をおすすめします。

隣地との境界を確認する

隣地との境界(筆界)は親でさえよくわかっていないケースがあります。
「ここまでは我が家の土地だ」といわれて信じていたところ、実は違っていたという事例は少なくないので、法務局に申請して地積測量図を取り寄せましょう。
実際に目で見た状況(現況)と地積測量図が異なっていた場合、境界確定測量が必要になる場合もあります。
境界が確定していない土地は売却処分や買取りができないので、早めに対処しておきましょう。

相続や売却にかかるコストを把握しておく

相続した土地や家を売却処分する、または買取りに出す場合、以下のコストや税金がかかるので、不足がないように準備してください。

  • 相続税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 登記費用や印紙代
  • 不要物の撤去費用
  • リフォーム費用や解体費用
  • 測量費
  • 仲介手数料

土地や家は相続人名義にしておかなければならないため、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)は必ず発生します。
譲渡所得税は利益が出たときにかかる税金なので、不動産の購入代金(取得費)よりも高く売れた場合は、利益に対して20.315%の税金が課税されます。

解体やリフォームは慎重に検討する

相続した空き家の築年数が古ければ、解体した方が売れやすいケースもあります。
ただし、売れるかどうかは土地の形状や広さ、接道状況や周辺環境にも影響されるので、自分で判断するのは危険です。
リフォーム代金を売却価格に上乗せすると「割高な物件」と判断され、買い手が見つからない可能性もあるので、どちらも不動産会社とよく相談して決めましょう。

判断に迷ったときの相談先

資産価値のない家の処分方法に迷ったときや、トラブルが発生したときは必ず専門家に相談してください。
一例として「八王子市空き家総合実態調査の結果」をみると、相続した空き家問題について、専門家へ相談しておけばよかったとする回答が全体の34.71%を占めています。
八王子市は人口の多い中核市であり、調査対象も多い(5,426棟)ので、空き家実態がよくわかります。

引用:令和3年度(2021年度)八王子市空き家総合実態調査(八王子市)

なお、相談内容によって専門家も分かれるので、以下を参考にしてください。

相続登記は司法書士

不動産などの登記申請は司法書士の独占業務となっています。
司法書士には相続登記を依頼できるので、権利関係が複雑であったり、仕事が忙しくて自分で登記できなかったりするときは相談してみましょう。

トラブル解決は弁護士

相続した空き家がトラブルの原因になった場合、紛争解決は弁護士に相談してください。
自分で対応すると火に油を注ぐ結果になりやすく、問題未解決のまま長期化する恐れがあります。
民事関係のトラブルは司法書士にも相談できますが、対応できる業務範囲が限られているので、弁護士への相談がベストな解決方法になるでしょう。

売却や買取りは不動産会社

相続した不動産が売れるかどうか、いくらで売れるか、といった相談は不動産会社しか対応できません。
税金にも詳しい不動産会社に相談すれば、売却処分や買取りにかかるトータルコストも計算してもらえます。

資産価値のない家の相続で困ったら「家プロ」にご相談を

相続の考え方は年々変化しており、かつては「不要な財産だが義務感で相続した」という方も多かったようですが、現在は合理的な考え方が主流になりつつあります。
資産価値のない家を義務感で相続しても、空き家にするといずれ子孫の負担になるため、「負動産」の連鎖はどこかで断ち切る必要があるでしょう。

不動産を手放したくない方は自分で使う、あるいは賃貸物件にする方法もありますが、どちらも管理責任が伴い、トラブルはすべて自分で解決しなければなりません。
不要な土地・建物を相続した場合、売却処分や買取りは必ず選択肢になるので、現在の価値だけでも知っておくとよいでしょう。
資産価値のない空き家の相続で困ったときは、ぜひ「家プロ」にご相談ください。

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