マンションを高額売却する方法は?売却のノウハウや注意点などを解説

マンションを高く売却するためには不動産会社の販売能力が必須ですが、オーナーの工夫も必要です。

なぜならオーナーの努力次第でマンションの価値を高くすることができ、その結果売却価格が高い状態で公開することができるからです。

そこでこの記事ではマンションを高額売却するノウハウや注意点について、解説します。

マンションを売却する際に、リフォームへリノベーションをしていなくても高く売却する方法はありますか?

リフォームやリノベーションをしなくとも高く売却する方法はあります。そのためには買い手に「このマンションであれば適正価格だね」と思わせられる工夫が必要になるでしょう。

そうなんですね。マンションは立地や築年数で価格が決まると聞いたことがありますが、それ以外に求められるポイントはありますか?

立地と築年数以外では、家屋内の状況が購入判断のポイントになりやすいです。
ゆっくりくつろげるリビングや清潔感があれば買い手の購入意欲も高まり、高値であっても売却できるでしょう。

マンションの高額売却のためにできること

インフレやコロナの反動により、現在マンション売却は高額で推移しています。

コロナ過を除くと㎡単価は13年連続で上昇しており、マンションを購入しすぐに売却して利益を得る投資家の活動も活発になってきました。

しかし、何もせずに高額売却できるわけではなく、オーナーの準備がポイントになります。

そこで、この章ではマンションオーナーとして高額売却するために準備できることについて解説します。

  • 高額売却のために無料でできること一覧
  • 高額売却のための投資をする

高額売却のために無料でできること一覧

高額売却を実現するためにオーナーが無料でできることは多く、基本的な清掃や片付けをするだけでも資産価値を向上させることが可能です。

また、マンションの売却タイミングによっても売却価格が変わることもあるため、最適なタイミングで公開できるよう売却準備を整えることも重要といえるでしょう。

そのため、無料の一括査定サイトを利用して査定額を確認し、不動産会社の選定などは早い段階で完了させておくのがおすすめです。

高額売却のための投資をする

リフォームやリノベーションといった高額投資ではなく、十万円前後の投資で高額売却できるマンションにすることもできます。

次に挙げる投資は必ず実施し、マンション売却のスタート前に完了させましょう。

  • ハウスクリーニング
  • インスペクション
  • ホームステージング

ハウスクリーニング

ハウスクリーニングは日常の清掃レベルからプロの洗浄レベルまで幅広いですが、最低限水回りの汚れを取るハウスクリーニングを実施しましょう。

作業期間は1日程度で完了し、費用は3~5万円です。

また、リフォームとは違い住みながら作業できるため、オーナーの生活を変える必要もありません。

水回り以外にもハウスクリーニングは多く、次のようなラインナップが一般的です。

そのため、気になる所は全てキレイにしておくようにしましょう。

作業箇所概算費用作業期間
水回り3~5万円1日
壁紙のクリーニング1万円前後(リビングのみ)1日
床のクリーニング1万円前後(リビングのみ)1日

インスペクション

インスペクションとは既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が建物の状況を調査し、報告書にまとめる作業のことです。

報告書の有効期限は約1年間ですが、マンションの劣化状況を確認できる資料はマンションを検討する買い手にとっては大きな安心となるでしょう。

費用は5~7万円が相場となっており、作業は1~3時間です。

報告書の提出は2週間前後かかることが多いため、売却スタートの2週間前には依頼するのがポイントです。

また、インスペクションは住宅瑕疵保険が付与されているタイプの作業を選択するのがおすすめです。

この保険があることで万が一雨漏りや給排水の故障が売主負担となった場合にも、保険で対応することができます。

そのため買い手にとっても保証してくれることが確実となるため、安心できる材料となります。

新築では義務化されているインスペクションは中古でもかなり認知度が上がってきており、インスペクション実施済み物件は反響数を大きく増やすことができます。

このようなメリットがあることから、インスペクションはおすすめです。

ホームステージング

ホームステージングとはショールームのようにマンション内を着飾り、豪華でおしゃれな印象を買い手に与える販売方法のことです。

この方法は空き家にする必要はなく、内覧がある日だけリビングに小物を置いたり間接照明でライトアップするだけでも大きな効果をだすことができます。

ただし、よりキレイに見せるために損傷箇所などをリフォームする必要はないことを知っておきましょう。

なぜなら中古マンションを購入するほとんどの買い手がリフォームやリノベーションをするからです。

あくまで無料でできる範囲のホームステージングを実施しましょう。

マンションを高額で売却できるタイミング

マンションを高額で売却するにはタイミングがあり、築年数やマンションの所有年数、不動産業界の繁忙期などが関係しています。

マンションを高額で売却するためにもこの章で解説するタイミングをしっかり確認しましょう。

  • 築年数が5年~10年以内
  • 節税できるタイミング
  • 不動産業界の繁忙期

築年数が5年~10年以内

マンションの価値は新築時が最も高く、築年数が経過するにしたがって下がる傾向にあります。

新築で購入したマンションを一度も使用せずに売却するのが最も高くなりますが、この場合は「中古」や「未入居物件」という扱いになり、新築マンションを探すターゲット層からは外れた物件となります。

一方で、そもそも中古マンションを検討している購入層は「安価」という点を重視していることが多いです。

よって、築5年以内のマンションは新築マンションを探している購入層のニーズにも安いマンションを探している購入層のニーズにも合わないことになります。

こういった背景があり、中古マンションは築5年を超え10年以内の築年数が最も高く売却できるといえます。

ただし、築10年を超えるマンションであっても人気エリアであれば大きな値崩れはなく、新耐震基準を満たしたマンションであれば住宅ローン控除を使うことができるため、高額売却できるチャンスはあるといえます。

このことからも、中古マンションの売却を検討するのであればなるべく早い段階で不動産会社に相談するのがおすすめです。

節税できるタイミング

マンションを売却する際には所有期間によって税金が変わり、5年以内か5年もしくは10年を超えるケースで手残り額が大きく変わることを知っておきましょう。

この場合の税金は譲渡所得税と呼ばれ、次の計算式によって算出することができます。

売却価格-売却にかかった諸費用-購入時の価格-購入にかかった諸費用=課税額

課税額×税率=譲渡所得税

つまり、マンションを売却することで利益を得た場合に譲渡所得税がかかることになり、利益に税率を掛け合わせることで譲渡所得税が計算されることになります。

そして、税率は所有期間によって次のように変わります。

所有期間税率
5年以内39.63%
5年を超え10年以内20.315%
10年を超える14.21%(6,000万円以内)20.315%(6,000万円を超える部分)

たとえば3,000万円のマンションを4,000万円で売却し、諸費用が購入時と売却時とも200万円だった場合は課税額が400万円となり、譲渡所得税は次のようになります。

所有期間税率譲渡所得税
5年以内39.63%約159万円
5年を超え10年以内20.315%約82万円
10年を超える14.21%(6,000万円以内)約57万円

このように、所有期間によって大きく税額が変わることを知っておきましょう。

ただし、居住しているマンションや空き家になって3年以内のマンションであれば課税額を3,000万円まで控除できる制度があるため、積極的に利用することがポイントです。

参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

不動産業界の繁忙期

マンションに限らず、不動産は1~3月と6~8月が繁忙期となりマンションの契約件数も増える時期です。

この理由としては4月と9月に人が移動することが多いという点があり、マンションの購入もそれに合わせて検討するのが一般的です。

この時期に公開することで反響数を増やすことができますが、一方で競合物件も多いという特徴もあります。

そのため、公開するタイミングによって販売プランを修正するのが高額売却するコツといえるでしょう。

マンション高額売却のためのポイント

この章ではマンションを高額売却するためのポイントについて解説します。

不動産会社とマンションのオーナーそれぞれにやっておくべきポイントがあるため、しっかり内容を確認しましょう。

  • 販売スケジュールを立てる
  • 内見の対応
  • 経費の把握と節税

販売スケジュールを立てる

「売れても売れなくてもいい」というケース以外では、売却の手残り額と売却完了時期を考慮した販売スケジュールを立てることが重要です。

特に住み替えなど売却益を使う目的がはっきりしている場合は、より細かいスケジュールが必要となるでしょう。

住み替えは先に売却することで売却益を明確にすることができ、さらには税制優遇を確実に利用できるというメリットがあります。

一方、住み替え先を見つけるための時間も必要となるため、なるべく早く売却をスタートさせ売却期間を長くするのがポイントです。

このように、売却益の使い方に合わせた販売スケジュールを立てることが重要といえるでしょう。

内見の対応

物件を公開すると内見の依頼を受けることになりますが、内見する人に冷やかしは少なく、購入検討した上で内見するケースがほとんどです。

そのため、しっかりした内見対応が売却価格に大きく影響することを知っておきましょう。

そして、内見の対応はオーナーのやるべきポイントが多いです。

まずは内見日が決まった際には不動産会社と打合せし、説明や設備の操作などの役割分担を決めましょう。

全ての説明や操作を不動産会社が行うよりも、オーナーが介入することでより日常生活を買い手にイメージさせることができます。

また、照明は全ての部屋をつけておき換気しておくことが重要ですが、南向きで明るい部屋はあえてつけないことで部屋の明るさをアピールすることができます。

その他にも周辺環境の情報をまとめたりマンション住民の人となりなど、買い手が気になりそうな情報はすぐに答えられるよう準備しましょう。

経費の把握と節税

マンションを高額売却するためには前述したような準備を行い、価格交渉をなるべく受けないようにするための対応が必要となります。

ただし、買い手としてもなるべく安く買いたいという意向があるため、価格の折り合いをつけることも重要です。

つまり、「売却価格」と「売却着地想定価格」の2つを設定しておくことが重要となり、そのためにも経緯と節税ポイントを事前に知る必要があります。

また、経費の中で「印紙代」と「仲介手数料」は売却価格に合わせて変わるため、売却着地想定価格に対してシミュレーションする必要があるでしょう。

経費以外にも譲渡所得税の計算や控除利用の有無によって手残り額は大きく変化するため、十分な確認が必要です。

このことから、売却スタート前にはなるべく正確な手残り額を把握し、目指す売却価格を明確に設定することが重要です。

マンションを高額売却するためには空き家にした方がいいでしょうか?

基本的に住んだままでも問題ありません。むしろ空き家にすることで壁紙の汚れや日焼け後が目立つこともあります。また、住みながらの方が家具や家電の配置を確認することができるため、おすすめというケースも多いです。ただし、内見の前にはキレイに掃除しホームステージングするなどの工夫は必要となるでしょう。

そうなんですね。売却するためには手残り額が重要と聞きましたが、手残り額を増やすには売却価格を上げる以外方法はないでしょうか。

たしかに売却価格を上げると手残りを増やすことができますが、相場から大きく外れた売却価格になると販売が長期化するリスクがあります。
そのため、譲渡所得税を減らす方法を検証するのがおすすめです。譲渡所得税は所有期間が5年もしくは10年を超えた段階で税率が下がり、居住中もしくは空き家になって3年以内の売却であれば特別控除を受けることができます。
このように、高額売却できるギリギリの価格設定を維持しつつ税金を抑えるのが手残り額を増やすポイントです。

分かりました。ところでリフォームはした方がいいのでしょうか?最近よく聞くインスペクションのメリットについても聞きたいです。

結論からいうとリフォームをせずに売却するのがおすすめです。
リフォームすることでハウスクリーニングやホームステージングをする以上にキレイな状態で売却することができますが、リフォーム費用がかかります。そしてリフォーム費用分を売却価格に上乗せすることになるだけですので、手残りが増える高額売却とはいえないでしょう。
また、買い手は「どうせリフォームするのであれば自分に合ったリフォームにしたい」と考えるため、それであれば適正な売却価格のリフォームなし条件の方が売れやすいです。

インスペクションは「マンションと家屋の状態を診断する」作業で、買い手は第三者から提出された報告書を見て現状を把握することができます。

さらに万が一雨漏りやシロアリ被害にあった場合の保険適用を確認することができ、売主が対応できず泣き寝入りするリスクがないことをアピールできます。

このことから、インスペクションをすることでマンションは売却しやすくなるでしょう。

マンションを高額で売却するなら仲介で

マンションを高額売却するのであれば、仲介がおすすめですが、場合によっては買取という選択肢も有効になるケースがあります。

そこで、この章では仲介と買取の特徴について解説します。

  • 仲介とは?
  • 買取とは?

仲介とは?

仲介は不動産会社に販売を依頼し、物件を公開することで買い手を捜索する方法です。

仲介を選択することで査定額を根拠として売却価格や販売条件、引渡し時期をオーナーが決めることになり、売却の自由度が高く最も高額で売却することができます。

仲介手数料がかかるというデメリットがあるものの市場に公開されている物件はほぼ仲介物件のため、仲介手数料分を売却価格に上乗せしても大きく相場から外れることはないでしょう。

そのため、高額売却したいのであれば仲介がおすすめです。

ただし、買い手が見つからず販売が長期化しマンションの経年劣化が進むというデメリットもあります。

買取とは

買取は仲介とは違い、査定額は「買取額」になります。

買い手は不動産会社となり買取の条件なども不動産会社が指定します。

そして、商談がまとまるとオーナーは不動産会社と売買契約を締結することになります。

買取は仲介の相場に対し6~7割の買取額が設定されることが多く、手残り額が仲介よりも少なくなるというデメリットがあります。

ただし、買取は不動産会社の提案をオーナーが合意した時点で商談成立となり、1週間以内に契約となります。

早ければ商談した月に買取額が入金することも可能なため、販売期間がないというメリットがあります。

これ以外にも仲介手数料が不要という点や残置物を片付けなくてよいなどのメリットがあるため、マンション売却時には買取という方法も念頭におきましょう。

マンションの高額売却に関するまとめ

マンションを高額売却するためにオーナーがやっておくべきことは多いため、早い段階で不動産会社に相談し内容を確認しておくことが重要です。

マンションを公開する前にやっておくべき大事な点はなんでしょうか?

公開前には売却価格の設定や販売スケジュールの立案などが重要です。そのためにも不動産会社に査定を依頼し、売却相談をする必要があります。

分かりました。公開した後に内見の依頼があったとして、そのタイミングで準備しておくことを教えてください。

内見によって買い手は購入するかどうかを決めます。
そのため掃除や破損している設備の修繕は最低限必要ですが、高額売却するためにはハウスクリーニングやホームステージング、インスペクションが重要なポイントとなります。

また、常に周辺のマンション情報を入手し売却価格が適正かどうかを検証するのも大事ですね。

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滋野 陽造

執筆者

保有資格:宅地建物取引士 賃貸不動産経営管理士

経歴:早稲田大卒。マスコミ広報宣伝業務・大手メーカー等のWebディレクターを経て、不動産関連業に従事。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた解説をします

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