リースバックで老後の資金を得る方法は?目的別の実例や注意点を解説

少し前に話題となった「老後2,000万円問題」など、老後の資金を不安視する声は多いです。

このような背景から、老後資金の確保を目的としたリースバック利用件数は、年々増加傾向にあるといえます。

そこで、この記事ではリースバックを老後の資金対策として利用する際の、実例や注意点について解説します。

老後資金の不足を心配する人の割合はどのくらいなのでしょうか?

金融広報中央委員会が「老後の生活の考え方」について調査した所、8割を超える人が「心配」だと回答したようです。
(参考:金融広報中央委員会調査

とても多いんですね。リースバックはこういった老後資金に対応できる仕組みとのことですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1番のメリットは、生活拠点を変えずに資金を得られるという点です。
高齢者になってから生活拠点を変え、新しいコミュニティを作るのは大変です。
また、家を売却する際には近所の目も気になるでしょう。
リースバックは誰にも知られることなく家を売却できる上に、生活拠点を変える必要はありません。
このような理由から、リースバックは高齢者からも指示が多い売却方法だといわれています。

生活拠点を変えなくていいのはいいですね。老後の資金対策としてリースバックを利用する場合、いつ頃までに検討するのがおすすめですか?

おすすめは定年までです。この時期になると住宅ローン残債もかなり減っており、売却益が多くなるでしょう。
また、定年後は自由な時間も増えるため、資金の運用方法についてゆっくり考えられます。
このことからも、リースバックの利用は定年前までの検討がおすすめだといえるでしょう。

リースバックで老後の資金を得る

リースバックで得た老後の資金は、どのような用途に使用するのがよいでしょうか。

この章では老後で必要となるお金の例と、リースバックの特徴について解説します。

  • 老後に必要となるお金の例
  • リースバックとは?

老後に必要となるお金の例

老後は主な収入源が年金となるため、社会人として働いていた時よりも大きく減ります。

そのため、リースバックで得た売却益を「生活資金」に充てるケースが多いです。

生活に余裕がある人は、将来入る施設への入居資金や家族への援助に利用することもあります。

また、リースバックは相続対策としての利用も有効です。

不動産を所持していると相続発生時に遺産分割が難しくなり、遺産分割協議が難航することもあります。

そこで、不動産の所有権を放棄し換金することで、遺産分割をしやすくすることができます。

リースバックとは?

リースバックは住んでいる家を不動産会社や個人投資家が買取し、さらに賃貸借契約を締結する仕組みです。

通常の買取とは違い家を退去する必要がなく、生活拠点は変わりません。

このことから、近所にばれることなく家を売却して資金を得ることができ、さらに固定資産税の支払いなどの義務が免除されるメリットがあります。

一方、リースバックによる賃貸借契約は一般的に定期借家契約となり、期限付きの賃貸契約です。

さらに家賃が発生してしまうため、リースバック後の資金計画と居住期間を事前に決めておく必要があるでしょう。

リースバックで老後の資金を得る実例

この章では、リースバックによって老後の資金を得た後の活用方法について、実例を交えて解説します。

老後のためにリースバックを検討される方は、参考にしてください。

  • 事例①退職後の生活資金
  • 事例②老後を楽しむための資金
  • 事例③定年前に返しきれない住宅ローンの清算

事例①退職後の生活資金

退職後は収入が大きく下がるため、住宅ローンや固定資産税、マンションの管理修繕費の支払いが難しくなるケースもあります。

このような不安を解消するには、リースバックがおすすめです。

たとえば、持ち家のランニングコストを抑えるためにリースバックを利用し、大きくコストダウンしたという実例があります。

持ち家の状況に寄りますが、年額で次のコストダウンが可能となります。

ランニングコストリースバック前リースバック後
住宅ローン年額支払い(月額9万円)108万円0円
固定資産税等支払い(年に1度、12万円)12万円0円
管理修繕費支払い(月額3.5万円)42万円0円
リースバック家賃(月額8.5万円)0円102万円
合計162万円102万円

このケースでは、年間のコストを60万円削減することができ、さらに買取による売却益を得ることができました。

これにより、老後の収入低下というリスクに対処しています。

事例②老後を楽しむための資金

リースバックを利用する目的には生活資金への充当だけでなく、老後を楽しむための資金にするケースもあります。

老後の生活資金は個人年金や投資によって確保する方法もあり、この場合は余剰資金の確保を目的としてリースバックを利用しましょう。

たとえば余剰資金を1,000万円調達したいと考えてリースバックを利用し、買取額が2,800万円、家賃設定が月額11万円だった場合、余剰資金以外の1,800万円を投資に利用することで生活資金を確保することができます。

また、リースバックすることで相続対象が不動産から現金となり、遺産分割しにくい持ち家を分割しやすい1,800万円の現金に変えたということになります。

このように、リースバックの利用は老後を楽しむ余剰資金を確保しながら、さらに自由に使用できる資金を確保することができます。

事例③定年前に返しきれない住宅ローンの清算

定年後も住宅ローンの支払いが残ってしまう場合、収入が下がった状態で支払い続けることになります。

住宅ローンを一括返済するという選択肢もありますが、そのためには住宅ローンの残債に加え手数料が必要です。

そこで、リースバックを利用することで一括返済するための資金を確保し、さらに買取額によっては住宅ローン返済額よりも低い家賃にすることが可能となります。

たとえば住宅ローンの月額返済額が8.8万円、残期間が7年間だった場合、740万円と手数料が一括返済に必要な額となりますが、リースバックの買取額が800万円を超える場合は十分に完済できるでしょう。

また、月額家賃が8.8万円以下であれば、ランニングコストを抑えることもできます。

このように、一括返済に必要な額と買取額、月額家賃のバランスを見据えた上で、プラスがある場合はリースバックの利用がおすすめです。

リースバックで老後の資金を得る際の注意点

この章では、リースバックで老後の資金を得る際の注意点について、解説します。

  • 家族と相談する
  • 資金使途を決めておく
  • 何年住むのかを決めておく

家族と相談する

リースバックを利用する際には、家族と必ず相談しましょう。

不動産の所有権を放棄し、資金を得ることになります。

また、持ち家が借家になるという変化もあり、相続や資産運用という観点からも家族全員が納得した上で進める必要があります。

資金使途を決めておく

リースバックで得た資金をどのように使っていくのかは、しっかりと協議する必要があります。

たとえば必要資金が1,000万円であるのに対し1,500万円が買取額となった場合、1,500万円に対する家賃設定となります。

つまり、このケースでは1,000万円の買取額とし、家賃をなるべく下げるという検討が必要でしょう。

このように、リースバックを利用した後の資金利用を明確にし、それに基づいた買取額と家賃設定にすることが重要です。

何年住むのかを決めておく

リースバックの賃貸契約は賃貸期間が決まっている「定期借家」であることが多いです。

そのため、何年住むのかを決めておくことが重要です。

また、リースバックによる売却益の利用が一時的な場合、買戻しするという選択肢もあります。

そのため、リースバック利用時点で買戻しを検討しているのであれば、事前に再購入価格を下げる交渉もできるでしょう。

リースバックで老後の資金を得ることに関するまとめ

リースバックは老後の資金を確保するために有効な手段ですが、どのくらいの資金を何のために使うのかを、家族全員で協議し決めることが重要です。

リースバックと似たような商品にリバースモーゲージというのがありますが、どのような違いがありますか?

リバースモーゲージは老後資金を得るための不動産担保ローンです。そのため、リースバックとは違い事業や投資に売却益を使うことはできません。
また、所有者が死亡後に家を売却し、金融機関側が利益を得るという仕組みも違う点です。

リバースモーゲージは資金使途に制限があるんですね。一般的に老後の資金使途はどのような内容がありますか?

老後の生活資金や 施設入居の頭金、老後の楽しみのための資金、住宅ローンの早期返済などが多いです。

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